TOKYOオリンピック物語 野地秩嘉

  • 2019.06.15
TOKYOオリンピック物語 野地秩嘉

1964年に開催された東京オリンピックには、世界で初めて取り組んで時代を変えたアイデアがたくさん詰まっている。それまでは常に五輪マーク単独でオリンピックのマークとしてどの大会でも使用されていたのに、初めて東京オリンピックというその大会のためのシンボルマークというものが採用された。それが亀倉雄策さんの傑作だ。競技データをリアルタイムで情報処理して競技が終わった瞬間に速報が出ようなシステムを作ったのも東京オリンピック。厨房で大量の食事を提供できるように食材の冷凍方法や調理法が開発されたのも東京オリンピック。民間の警備保障というビジネスが考え出されたのも東京オリンピック。今の僕たちの生活に当たり前にあるものには、東京オリンピックのために作られて世界に広がってものがあるんですね。この本を読むまでは東京オリンピックでピクトグラムが発明されたことくらいしか知らなかったけど、1964年は凄い時代だったのだとつくづく思った。

本: 「東京オリンピック物語」野地秩嘉
ブックカバー: Kapital