2020年6月

山の朝霧 里の湯煙 池内 紀

  • 2020.06.29

積雪期の安達太良山で山腹の「くろがね小屋」の温泉に浸かり一泊し翌朝に山頂を目指す予定で出発したのだけれども、夜半から荒天に向かうという天気予報になったため、くろがね小屋の白いお湯に浸かりその日のうちに速やかに下山した。下山後は麓の岳温泉の村営の湯治宿に宿泊した。冬の東北の湯治宿は静かで趣があり味わい深い一晩となった。翌朝は思いもよらずに時間が出来たため地元の酒蔵「奥の松酒造」を訪れて試飲を楽しんだ […]

カラスのジョンソン ドリアン助川

  • 2020.06.06

怪我をしたカラスを小学生の陽一がアパートの部屋で飼うことから物語が始まる。人間の都合から見たカラスの世界とカラスから見た人間の身勝手を描いたお話であるが、単純にカラスと人間の関係ではなく人間同士の間にもこのカラスと人間のような差別や偏見が存在していることを改めて知る。そして言葉が通じない陽一とジョンソンの間に生まれた友情に心を打たれ、最後まで応援してしまう。 本:「カラスのジョンソン」 ドリアン助 […]

下級武士の食日記 青木直己

  • 2020.06.05

幕末の桜田門外の変の三か月後に江戸藩邸の勤務を命じられた紀州和歌山藩の下級武士が記した当時の単身赴任時の食生活の記録を基に江戸の食文化を解明している。万延元年(1860年)5月11日に和歌山城下を出発し江戸に向かってから翌年12月18日に帰るまでの約一年七カ月の食レポ。現代なら東京に単身赴任中のサラリーマンが都内の食生活を綴った食レポのブログということになろう。当時の江戸は旬のものを安く粋に味わっ […]