2019年10月

寝ぼけ署長 山本周五郎

  • 2019.10.19

関西から関東に引っ越してきて最も驚いたのは地震の多さだ。神戸に住んでいる時に阪神淡路大震災に遭って、地震の怖さを身をもって経験している。職場から自宅に帰る途中で多摩川を渡るのだが、橋を普通には渡れないような状況になることだって十分に想定できる。もしも何かあった際に身に付けているものでロープを作ることができると、自分も助かるし周りの人を助けることだってできると思い、毎日カバンの中にアーミーナイフを入 […]

神さまたちの遊ぶ庭 宮下奈都

  • 2019.10.19

宮下奈都さん一家が福井県から北海道のトムラウシに引っ越し山村留学を体験した一年を綴ったエッセイ。家族の会話の中で生まれる中学生と小学生の子供たち三人の何気ない言葉がとても心に沁みる。こういう大自然の中で暮らしていない人間にはおそらく思いつかない言葉だ。子供たちが大自然と温かい村の人々との触れ合いの中で成長していく様子が感じられる。でも子供以上に成長したのはきっと宮下さん夫婦に違いない。トムラウシ、 […]

会津の義 植松三十里

  • 2019.10.06

幕末から明治維新にかけての激動の日本を会津藩の視点で描いた歴史小説。会津松平家の養子となった松平容保は会津藩に伝わる家訓に忠実に従い生きてゆく。やがて京都守護職を拝命され、老中に反対されながらも家訓に従い命を受ける。そして時代は鳥羽伏見の戦いそして会津戦争へと進み、会津藩はどんどんと責任を負わされる立場に追いやられてゆく。苦悩と葛藤の末に容保は生きることによって会津に着せられた汚名を晴らすことを選 […]