2022年3月

私はいったい、何と闘っているのか つぶやきシロー

  • 2022.03.27

スーパーマーケットの主任さんの家庭と職場の人間関係を描く人間ドラマ。隣にいる冴えないように見える人にもきっとそれぞれの闘う対象があり葛藤があるのだろうと気づかされる。平凡などこにでもある日々を通じて描かれているだけに正にそう思わされる。応援したくなる気持ち無くして読めない一冊。 本: 「私はいったい、何と闘っているのか」 つぶやきシロー ブックカバー: 新垣菓子店ちんすこう

和菓子のアン 坂本 司

  • 2022.03.08

水ようかんは福井県では冬に食べる和菓子である。こたつに入って四角い箱に入った水ようかんを竹べらで掬い上げて食べるのが冬の風物詩である。県内のあちこちの和菓子屋さんが水ようかんを作るが、販売しているのは冬季のみ。三月までしか食べることができない。和菓子とはその季節の美しさ侘しさ華やかさを小さな世界に詰め込んだ芸術品である。日本各地で季節が移り変わる時期や移り変わり方が異なるだけ、和菓子も異なる。実に […]

墨攻 酒見賢一

  • 2022.03.03

二万の軍勢で迫りくる相手にたった数千の兵で城を守り抜く。戦国時代の中国の設定でひとりの戦略思想家を描いた小説。こんな大昔の設定の話に似た事が現代の地球上で実際に発生するとは思ってもみなかった。平穏な世界が訪れ地球上の人々が安心して暮らせますように。 本: 「墨攻」 酒見賢一 ブックカバー: 阿闍梨餅本舗

アメリカ居すわり一人旅 群ようこ

  • 2022.03.01

ニューヨークを訪れた山下達郎さんが街角のストリートミュージシャンのアカペラの歌声に感動して、帰国後にひとりで全てのパートをアカペラでレコーディングした「On The Street Corner」というアルバムがある。学生時代によく聴いていた。それから何十年も経て、初めて訪れたニューヨークの地下鉄の駅で、僕は電車を待っていた。すると一人の男性がホームの端から歌を口ずさみながら歩いてきた。ベンチの前を […]