2021年6月

ビオレタ 寺地はるな

  • 2021.06.17

思い入れのあるもの思い切って処分するための「棺桶」と名付けた箱を作って庭に埋めて葬る手伝いをする雑貨屋。その雑貨の材料を売っているボタン屋。お店の人たちもそこにやってくる人たちもかなり不思議。僕がこのお店に行くことになったら一体何を箱に入れて葬ってもらおうか。忘れてしまいたいことも、思い出したくないことも、たくさんあり過ぎて箱が足らない。 本: 「ビオレタ」 寺地はるな ブックカバー: 河合シャツ

ねにもつタイプ 岸本佐知子

  • 2021.06.17

ショート・ショートよりも更に短いショー・ショー、いやショ・ショ、いやいやシ・シ な短編集。「ねにもつタイプ」というタイトルのお話しは出てこないのに、全体として「ねにもつタイプ」が納得できる構成。それぞれのお話しのテーマが違っても、テーマの捉え方が「ねにもつタイプ」なのだ。きっと岸本さんの日常には妖精なのか小人なのかそういう小さな働き者が棲みついて、いろんな出来事を起こしたり言葉となって現れたりする […]

いのちの停車場 南杏子

  • 2021.06.17

映画を観る前に原作を読んだ。生き方とその終え方について考えさせられるお話しである。舞台は金沢。映画は北陸のどんやりとした雲や激しい雨がとても魅力的に丁寧に表現されていた。金沢の街を歩くと喫茶店の多さに驚く。しかもそれぞれの店舗が個性的。雑貨屋の喫茶店、古道具屋の喫茶店、本屋の喫茶店、マジック喫茶、ブランケット喫茶、ミステリー喫茶・・・・ 一体どれくらいの種類の喫茶店があるのだろうか。ふらりと入った […]