2019年11月

君がいない夜のごはん 穂村弘

  • 2019.11.23

穂村さんってどんな人なんだろう。これは食べもののエッセイであることには違いないのだが、著名なレストランや珍しい食材あるいは海外の食事が登場するわけではない。普通の人たちが普通の日々に普通に食べている普通の食べもののエッセイである。それなのにひとつひとつの食事がとても魅力的に思うのは、そこにコミュニケーションがあるからだ。 大学生の時に住んでいた学生寮4階の向かいの部屋には、陳さんという香港からの留 […]

さがしもの 角田光代

  • 2019.11.23

大学生の時に紙幣が変わることがあった。新しい紙幣が出回ってすぐに学校の近くの酒屋で焼酎を買って新しい五千円札を出したら、お釣りに古い紙幣で九千円ほど返ってきた。おそらくまだ見慣れない新しい紙幣で五千円と一万円を間違われたのだと思う。学生だった僕は、お店の人にお釣りを間違えていることを言い出せず、そのままお店を出てしまった。 「さがしもの」は「この本が、世界に存在することに」を文庫化するにあたり改題 […]

開国ニッポン 清水義範

  • 2019.11.23

江戸から明治にかけて近代国家へと変わっていく日本を動かした人々の陰には、その人たちに影響を与えた様々な人たちがいた。開国ニッポンはその人たちの人間模様を描いた歴史小説。未知の世界に興味を持ち、その世界を知っている人に教えをもらい、新しい社会を創造する。開国ニッポンの日の出を作ったのは紛れもなく人と人の出逢い。 先日、芸術の世界で第一線で活躍されている人たちの話を聞く機会があったが、皆さん口々に今の […]

どうぶつ友情辞典 あべ弘士

  • 2019.11.02

旭山動物園に行った。遂に行った。この本を読んで行ってみたくなった。正確に言うと、この本を書いた人が働いていた動物園であれば面白くない訳が無い、是非行かなければならないと思った。そしてその期待は裏切られなかった。期待以上であった。 この本を書いたあべ弘士さんは、旭山動物園で25年間飼育員を務められた絵本作家です。旭山動物園はサインや解説がすべて手作り。あべさんのような絵心のある職員さんがたくさん働か […]