春を背負って 笹本稜平

  • 2020.02.15
春を背負って 笹本稜平

「春を背負って」は小さな山小屋の四季を通した人間模様を描いたお話。積雪の期間に閉鎖していた山小屋を開けるために春になると山小屋のスタッフは春を背負って山を登ってくる。そしてその山小屋を訪れる人たちもそれぞれ何かを背負った人生を歩んでいる。人は夢を追いかけて何かを背負いこみ、欲を出してまた何かを背負いこむ。そして時々は背負ったものを降ろしに山にやって来る。春は全ての人にとって待ち遠しい季節である。

本:「春を背負って」 笹本稜平
ブックカバー:旅館 たにがわ

雪解けの季節のよく晴れた朝。屋根から雪解けの雫がポタポタと一定のリズムで落ちている。突然ズルっと屋根の雪が滑り出しドスンと音を立てて軒下に落ちる。地面の雪のあちこちから土が現れふきのとうが顔を出している。雪国に春が訪れる瞬間だ。ここにも春を背負っている人たちが暮らしている。