モンテレッジォ小さな村の旅する本屋の物語 内田洋子

  • 2023.08.20
モンテレッジォ小さな村の旅する本屋の物語 内田洋子

イタリア北部の山奥に位置するモンテレッジォという村は資源に乏しく農産物にも恵まれなかったため、この村の人たちは何世紀にもわたり籠に入れた本を担いでイタリア中に本を行商して歩いていたという。イタリアの地図にもイタリアのローカルなガイドブックにも一切紹介されていない小さな村。イタリア全土に本を読むということを広めていったこの村の住人たち。 僕は1999年の数か月をイタリアで暮らしている。南部のペスカーラという港町と北部のアベトーネという山奥の村を仕事で何度も往復した。驚いたことに、アベトーネとモンテレッジォは同じトスカーナ地方の山奥の村で、モンテレッジォの住人が本を運んだ最南の町がペスカーラということらしい。ペスカーラにある本屋も、もしかするとモンテレッジォから移り住んだ人が始めたのかもしれない。なんだか物凄い縁を感じる。

本: 「モンテレッジォ小さな村の旅する本屋の物語」 内田洋子
ブックカバー: チロリアン