他人事 平山夢明

  • 2020.08.22
他人事 平山夢明

何者かに追われ逃げる。小さな部屋を見つけて逃げ込む。ホッとしたのも束の間、敵が扉に向かってくる気配を感じる。扉を開けられないように内側から扉の取っ手をしっかり掴む。ところが一風変わった扉の構造で、取っ手を掴んだ手は扉の向こう側に出ている。敵はその手に熱湯をかけてきた。それでもこの扉を引っ張る手を離すわけにはいかない。すると今度は扉ごと取り去ってしまおうと敵は扉とドア枠の隙間にノコギリを入れてきた。熱湯で火傷を負った右手で扉をしっかりと引っ張りながら左手でノコギリの刃を掴む。左手はねっとりとした血でドロドロになる。右手にはまた熱湯がかけられる。

熱い、熱い、熱い! エアコンのタイマーが切れて汗びっしょりになって目が覚めた。こんな夢を見てしまったのは暑さのせいではなく「他人事」を読んだせいだ。

本:「他人事」 平山夢明
ブックカバー: AMERICAN RAGCIE