夏美のホタル 森沢明夫

  • 2019.08.08
夏美のホタル 森沢明夫

森沢明夫さんの「夏美のホタル」は、房総半島で若い男女が一夏にめぐり逢った不思議な体験を綴った小説。同じタイトルの映画「夏美のホタル」もその不思議な体験が美しく描かれていました。そして映画のエンディングに流れてきた美しい曲に自然と涙があふれてきました。歌っていたUruさんの澄んだ声に、この不思議な物語が重なってしまったのです。

その数年後、不思議な体験が私にもやってきたのです。自転車で鎌倉に出掛けたある日、お昼ご飯を食べようにもその日の鎌倉はどこのお店にも人が長い列を作っていました。列に並んで待つほどお腹に忍耐力がなく、どうしようかと思案していたところに、「境内でシラス丼食べられます」というお寺の看板を発見しました。迷わず自転車を停めて、階段を登って行きました。大きな墓地の中に確かにレストランがありました。大きな窓があって、どの席に座ってもお墓を見渡せる不思議なレストランです。更に不思議なことに、奥にはピアノが置いてあって男の人がピアノを弾いています。シラス丼を注文し、メニューを元の位置に戻そうとしたとき、メニューの裏に一枚の紙が貼りついていることに気付きました。ピアノを弾いている方のプロフィールでした。そしてプロフィールの最後の一行。

映画「夏美のホタル」主題歌 「星の中の君」 作詞作曲

驚いて身体が震えました。演奏の合間にピアノに近づいて、小説のこと、映画のこと、エンディングで流れた曲のこと、話しました。しばらくすると、私に「星の中の君 歌えますか?」と聞かれるのです。普通なら「歌えません」と答えるところでしょうが、その日の私は不思議なことに何のためらいも無く「歌えます」と答えてしまったのです。そしてピアノにあわせて、私は「星の中の君」を歌ったのです。

本: 「夏美のホタル」 森沢明夫
ブックカバー: 千葉日報社 小湊鉄道
(映画は小湊鉄道沿線で撮影されています)

「星の中の君」作詞作曲 Hidenori
シラス丼の食べられるお寺 「満福寺」鎌倉 腰越


(朝焼けの大山千枚田、鴨川市)