蛍と月の真ん中で 河邉 徹

  • 2025.10.19
蛍と月の真ん中で 河邉 徹

雪とは不思議なもので、例えば、寝ている間に初雪が降った日の朝は、布団の中で目が覚めた瞬間になんとなく「あっ、雪が降ったな」と感じることができる。音や匂いでわかるのだ。また、根雪になって辺り一面が銀世界になると、気温や天候によって、同じ場所から見る景色が毎日毎日ドラマチックに変わり、なんとも幻想的な風景を見ることができる。月が出た夜などは、白いはずの雪が青い光を放って見え、もしかすると雪は昼と夜で全く違う姿に変わっているのではないかと思ってします。 「蛍と月の真ん中で」は都会で挫折を経験した写真家を目指す若者が、長野県の辰野で過ごす一年の気持ちの変化を綴った物語だ。彼が初雪の日に撮った写真には一体どんな空気が写っていたのだろうか? 物語の辰野に行って見てみたい。

本: 「蛍と月の真ん中で」 河邉 徹
ブックカバー: ANGERS