装丁物語 和田 誠

  • 2021.05.14
装丁物語 和田 誠

随分と大変な本を読んでしまった。イラストレーターでありグラフィックデザイナーである和田誠さんが施した本の装丁についての記録。和田さんは依頼を受けると必ずゲラを読み、装丁の構想を描き、イラストを描きあるいは調達し、レタリングをつくり、レイアウトし、インクを指定し、紙質や厚さを確認し、帯の取り外し前後でどう変わるのかも考えて一冊の本を装丁する。シリーズものなら並べて置いたときにどう見えるのかも考える。兎にも角にももの凄い情熱をかけて一冊の本を装丁する。本の一文字一文字からイラストそして余白まで全てが和田さんの一貫した美学によって本が作られている。作家さんや編集者さんや装丁家さんに何の断りもなく勝手にブックカバーを被せてしまう僕の行為はとても無礼で失礼極まりない冒とくなのである。箱に収めて風呂敷で包んでおくことにした。

本: 「装丁物語」 和田 誠
ブックカバー: なし

 表4面のカバー 帯が付いた状態

 表4面のカバー 帯を外すとイラストが現れる