和ごころ暮らし 平野恵美子

  • 2020.05.05
和ごころ暮らし 平野恵美子

日本の食器は不思議だと思う。西洋の食器は同じ食器を人数分揃えて、しかも最初から最後まで同じシリーズの食器で通していかないと格好がつかない。中華料理も同じ。日本だと隣の人と自分の食器が違っていても、料理ごとに違った食器を使っていても全く違和感がない。同じ食器のひとつだけに銀継ぎが施してあっても特に変に思うどころかむしろ趣を感じる。そんな形のバラバラは許容されるのに、季節感を外してしまうとこれは全く許されるものではない。私たちは形や絵ではなく気分で美を感じている。これが日本という文化の難しさであり美しさである。日本は面白い。

本: 「和ごころ暮らし」 平野恵美子
ブックカバー: 一保堂茶舗