こころ 夏目漱石

  • 2020.04.19
こころ 夏目漱石

四月二十日は朝日新聞で夏目漱石の「こころ」の連載が始まった日です。大正三年(西暦1914年)のことです。当時のタイトルは「心」。新型コロナウイルスによる外出自粛の四月の日曜日、バルコニーを打ちつける雨を窓越しに、雨音を心地良く聴きながら、静かに「こころ」を読みました。ウイルスといい激しい雨といい、なんだか私たちの度が過ぎた現代社会への警告のように感じました。

本: 「こころ」 夏目漱石
ブックカバー: 赤坂 青埜

朝日新聞の「心」の次の連載は志賀直哉の「時作謙作」です。志賀直哉がなかなか原稿を書き出さないので、夏目漱石が筆を執り続けて間を持たせたと言われております。結局、志賀直哉は新聞連載を挫折。のちに「時作謙作」は「暗夜行路」として出版されます。