かぼちゃを塩で煮る 牧野伊三夫
- 2025.05.28
- 本

一月にふらっと岩手県へひとり旅に出た。漆器の工房と鉄器の工場見学以外は全く予定を入れずの行き当たりばったりの旅だった。持って行った本も初日で読み終えたので、盛岡で本を買った。タイトルが僕の旅の仕方にとても似ていたので、「へたな旅」という本を選んで読んだ。牧野さんという方の書いたエッセイだった。
ところで、大学時代に暮らしていた学生寮のルームメイトの野中くんが、高校時代の水泳部の友人の話をよくしていたのだが、その方のエピソードがこのエッセイを書いた牧野さんの行動や性格になんとなく重なってしまう。しかも野中くんの友人の名も確か牧野さんだった。本に書いてあるプロフィールを見ると、野中くんの歳と出身地も同じではないか。これはもしやと思い野中くんにLINEをしたら、すかさず返事が来て、その牧野さんがあの牧野さんということが判明した。
野中くんが牧野さんの近況を調べてくれて、二月に荻窪の書店titleで開催される牧野さんの絵の展覧会を訪問して、その後で牧野さんと一緒に銭湯でひと風呂浴びてからモツでも食べに行こうということになった。もの凄い縁に驚くと共にその日を楽しみにしていたのだが、展覧会の数日前に牧野さんが体調不良となり、この機会は延期となった。いつか必ずこの続きを。
本:「かぼちゃを塩で煮る」 牧野伊三夫
ブックカバー:SAVEUR (絵: 牧野伊三夫)
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